宮沢賢治著『銀河鉄道の夜』(岩波少年文庫)2020年01月25日 22:07

15年10月30日読了。
 表題作他童話六編を収録。「貝の火」「なめとこ山のくま」「雁の童子」など、童話でありながら不条理感に満ちていて良い。不条理文学にありがちな閉塞感がそれほど強くなく、ただ不思議なそしてちょっと物悲しい感じが満ちているのも良い。宮沢賢治は少し過大評価されているのではないかと普段は思っているので、面白がらされてしまう事がちょっと悔しい。「雁の童子」に於ける「この壁は前におとうさんが描いたのです」(p.131)という因果の混乱などSFである。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://castela.asablo.jp/blog/2020/01/25/9206409/tb