ヨハンナ・シュピリ著『ハイジ』 ― 2022年11月23日 23:33
2022年10月23日読了。
あのアニメの原作。ヨーゼフはアニメのオリジナルキャラクターだったと知る。
作品中最も心に残るのは、フランクフルトへ行ったハイジがホームシックにかかるところである。最もハイジが苦しむところだからでもあるが、ハイジのアルムへの愛情が最も強く表れるところでもあるからであろう。全ては、アルムの自然の美しさとハイジの喜びが十分に描かれていることで成立する。
訳者あとがきによると、発表当時は、都会と自然の対比が強調され過ぎているとか、宗教心ばかりで社会的視点が見られないといった批判がなされたそうである。今読むとそういうことはあまり気にならない。時代設定が「昔の話」になってしまったからかもしれない。むしろ気になるのは登場人物が整理されていないところ。お医者さんとゼーゼマンさんの描き分けが十分ではないし、昔の少女漫画なら典型的な敵役になったであろう女中のティネッテがほとんど活躍しない。
まあ、そんなことは些末なことだが。アルムの自然に触れたハイジの内側から湧き上がり弾け輝く歓喜に、読者が共感すればそれで十分である。
あのアニメの原作。ヨーゼフはアニメのオリジナルキャラクターだったと知る。
作品中最も心に残るのは、フランクフルトへ行ったハイジがホームシックにかかるところである。最もハイジが苦しむところだからでもあるが、ハイジのアルムへの愛情が最も強く表れるところでもあるからであろう。全ては、アルムの自然の美しさとハイジの喜びが十分に描かれていることで成立する。
訳者あとがきによると、発表当時は、都会と自然の対比が強調され過ぎているとか、宗教心ばかりで社会的視点が見られないといった批判がなされたそうである。今読むとそういうことはあまり気にならない。時代設定が「昔の話」になってしまったからかもしれない。むしろ気になるのは登場人物が整理されていないところ。お医者さんとゼーゼマンさんの描き分けが十分ではないし、昔の少女漫画なら典型的な敵役になったであろう女中のティネッテがほとんど活躍しない。
まあ、そんなことは些末なことだが。アルムの自然に触れたハイジの内側から湧き上がり弾け輝く歓喜に、読者が共感すればそれで十分である。
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