井伏鱒二著『山椒魚 しびれ池のカモ』2020年02月01日 18:11

15年11月10日読了。
 童話四編を収録。「屋根の上のサワン」も良いがやはり「山椒魚」が飛び抜けている。何処が好きかというと、希望はないが最後に少しだけ救いがある処であろうか。

ミヒャエル・エンデ著『ジム・ボタンの機関車大旅行』2020年02月02日 21:27

15年11月12日読了。
 全体的な内容については続編を読んでからにするが、機関車のエマが大変に愛らしい。全体的な内容については続編を読んでからにするが、機関車のエマが大変に愛らしい。

『NHKスペシャル』アジア巨大遺跡 第4集 縄文 奇跡の大集落2020年02月03日 17:57

15年11月12日視聴。
 火炎土器や遮光器土偶の造型、特に文様の面白さは何度見ても全く飽きる事がない。生命力、などと呼んでは薄っぺらに過ぎるこの命の持つ神秘的な活力に直接呼応するような不思議な造形力は、どうして失われてしまったのであろう。文明人の小賢しい知恵に依って我々はスポイルされているのであろうか。三内丸山の縄文集落は人口数百人と言われているが、長期に渡り安定した定住生活を営むには人口の維持が必要だった筈である。人口調節はどのように行われていたのであろうか。

ミヒャエル・エンデ著『ジム・ボタンと13人の海賊』2020年02月04日 21:13

15年11月14日読了。
 続編では主人公達が出会った様々な登場人物達が、パズル的に自分の役割や居場所を見付けていくが、まあ余り構築性が高いとは言えない。どちらかと言えば断片的で纏まりを欠く。この処女作からは後の『果てしない物語』や『モモ』の構築性の高さは想像できない。勿論、個々のイメージは楽しいので、充分楽しめる。自他の区別がはっきりしない十三人の海賊など、『虚航船団』の雲型定規を思わせる。

幸田文著 青木奈緒偏『台所のおと みそっかす』2020年02月05日 18:44

15年11月16日読了。
 文と露伴の不思議と凛とした父娘関係が好きである。確か、田中優子(江戸学者ではなく女優の方)が文を森繁久也が露伴を演じたドラマがあったように思う。その他の小説や随筆も面白い。殊更凝ったのではなさそうなのに粋な文章は父親譲りであろうか。