P・ジェリ・クラーク著『精霊を統べる者』 ― 2025年06月12日 22:33
長編。エジプトを舞台にした歴史改変スチームパンクファンタジー。正史と分岐するのは一八七二年、アル=ジャービズという魔術師が異世界とつながる「穴」を開いて、超自然の力を解き放ち、エジプトは魔物の力を借りて完全な独立を手にする。その後も、欧州列強が超自然の力を軽視し近代科学によって支配を強めようとするのを尻目に、エジプトは魔物との共存を図って力を強めていく。
物語は、そんなエジプトの都市ギザで起こった殺人事件を捜査する、魔術省のエージェント・ファトマの活躍を描く。犯人は黄金の仮面をつけた謎の男。どうやら魔物を支配する力を持っているらしい。仮面の男は、アル=ジャービズの再来を名乗り、市民を扇動し始める。
ネビュラ賞、ローカス賞など四冠に輝いた作品だが、そういう凄味のある特別な作品というより、丁寧に作られたよくできたエンターテインメントの佳作である。ジンと呼ばれる魔物たちもチャーミングだし、ファトマと仕事のパートナーのハディア、ファトマの恋人のシティとの関係が深まったり反発したりしながら、しっかりした絆を築いてく様子がうまく描写されている。
物語は、そんなエジプトの都市ギザで起こった殺人事件を捜査する、魔術省のエージェント・ファトマの活躍を描く。犯人は黄金の仮面をつけた謎の男。どうやら魔物を支配する力を持っているらしい。仮面の男は、アル=ジャービズの再来を名乗り、市民を扇動し始める。
ネビュラ賞、ローカス賞など四冠に輝いた作品だが、そういう凄味のある特別な作品というより、丁寧に作られたよくできたエンターテインメントの佳作である。ジンと呼ばれる魔物たちもチャーミングだし、ファトマと仕事のパートナーのハディア、ファトマの恋人のシティとの関係が深まったり反発したりしながら、しっかりした絆を築いてく様子がうまく描写されている。
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