デイヴィッド・ウェリントン著『妄想感染体 上下』 ― 2025年07月26日 22:17
長編。超光速航行が実現され、他星系に植民を開始している未来が舞台。防衛警察(防警)の警部補サシャ・ペトロヴァは、今の地位が親の七光りでないことを証明しようと必死だったが、結果としては捜査を妨害してしまう。そして、サシャは太陽系から遠く離れた植民惑星「パラダイス-1」の調査を命じられる。
サシャは懲罰的な命令だと思っていたが、パラダイス-1は、軌道をめぐる百以上の宇宙船で封鎖されいた。パラダイス-1に着陸しようとしたサシャの宇宙船も攻撃を受け、大破する。軌道上の宇宙船は、AIも人間の精神も正体不明の病原体に感染し、狂気に囚われ、サシャの敵となっていたのだ。つまり、サシャと宇宙船の乗組員たちは周囲を敵に取り囲まれていたのである。物質的な実態がなく、感染経路も不明な病原体との戦いが始まった。
正統派エンターテインメント。次々と新たな危機に襲われ、その都度、紙一重で切り抜けていく。描写が的確で皮膚感覚に訴えてくる。これは作者の本領がホラーだからかもしれない。そういえばダン・シモンズもホラー作家だ。
サシャは幼い頃から母親の虐待を受けていて、母親の呪縛からの脱出が重要なエピソードとなっている。
もう一人の主人公といえる医師のジャンが面白い。能力は高いのだが、自分を過小評価している。パラダイス-1を襲ったのと同種の感染症で、多くの市民が死ぬのを防げなかったことがトラウマとなっていて、精神的に不安定で他者とうまくコミュニケーションできない。描写にも力が入っていて、作者がこの人物を気に入っているのが伝わってくる。
皮肉屋のロボットも良い味を出している。
サシャは懲罰的な命令だと思っていたが、パラダイス-1は、軌道をめぐる百以上の宇宙船で封鎖されいた。パラダイス-1に着陸しようとしたサシャの宇宙船も攻撃を受け、大破する。軌道上の宇宙船は、AIも人間の精神も正体不明の病原体に感染し、狂気に囚われ、サシャの敵となっていたのだ。つまり、サシャと宇宙船の乗組員たちは周囲を敵に取り囲まれていたのである。物質的な実態がなく、感染経路も不明な病原体との戦いが始まった。
正統派エンターテインメント。次々と新たな危機に襲われ、その都度、紙一重で切り抜けていく。描写が的確で皮膚感覚に訴えてくる。これは作者の本領がホラーだからかもしれない。そういえばダン・シモンズもホラー作家だ。
サシャは幼い頃から母親の虐待を受けていて、母親の呪縛からの脱出が重要なエピソードとなっている。
もう一人の主人公といえる医師のジャンが面白い。能力は高いのだが、自分を過小評価している。パラダイス-1を襲ったのと同種の感染症で、多くの市民が死ぬのを防げなかったことがトラウマとなっていて、精神的に不安定で他者とうまくコミュニケーションできない。描写にも力が入っていて、作者がこの人物を気に入っているのが伝わってくる。
皮肉屋のロボットも良い味を出している。
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