養老孟司著『人生の壁』 ― 2025年03月31日 23:05
新潮新書の壁シリーズ。著者の幼年期から今日までを振り返りつつ、現代の様々な問題に言及する。俺の印象だが、全体として「現代人は目的と手段を入れ違っている。本来、目的すなわち幸福を実現するための手段であるはずのお金やコスパが目的化してしまっている。その結果、頑張っても居心地が良くならないので皆苛立っていて不機嫌である」ということが言われている。
養老孟司というと「斜に構えて乱暴なことを言う年寄り」という印象を持つ人もいるであろう。それはまあ真実でもあるのだが、俺には養老孟司の言うことは至極筋が通っているように思える。俺も乱暴なことを言う年寄りになりつつあるのかもしれない。
「あれこれ手をかければかけるほど、子どもにプラスになるなどというのは勘ちがいの典型です」(p.16)。
「将来のためにがまんしろ、先にはいいことがあるぞというのは、子ども時代そのものに価値を置いていないということです」(p.26)。
「共同体がしっかりしている社会では人間関係が信用に基づいているので、その分、余計な手間をかけなくて済む面があります。正反対がアメリカで、だから弁護士が忙しい」(p.130)。
「日本の場合、物事を良い方向に進めるには、空気を読んだうえで、上手に利用するほうに頭を使うほうが現実的ではないでしょうか。理屈を並べて正面からぶつかるよりも、空気に流されないようにしながら、なおかつ良い方向にもっていく」(p.141)。
養老孟司というと「斜に構えて乱暴なことを言う年寄り」という印象を持つ人もいるであろう。それはまあ真実でもあるのだが、俺には養老孟司の言うことは至極筋が通っているように思える。俺も乱暴なことを言う年寄りになりつつあるのかもしれない。
「あれこれ手をかければかけるほど、子どもにプラスになるなどというのは勘ちがいの典型です」(p.16)。
「将来のためにがまんしろ、先にはいいことがあるぞというのは、子ども時代そのものに価値を置いていないということです」(p.26)。
「共同体がしっかりしている社会では人間関係が信用に基づいているので、その分、余計な手間をかけなくて済む面があります。正反対がアメリカで、だから弁護士が忙しい」(p.130)。
「日本の場合、物事を良い方向に進めるには、空気を読んだうえで、上手に利用するほうに頭を使うほうが現実的ではないでしょうか。理屈を並べて正面からぶつかるよりも、空気に流されないようにしながら、なおかつ良い方向にもっていく」(p.141)。
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