アン・マキャフリー著『歌う船[完全版]』 ― 2025年07月02日 22:23
連作短編集。人類が銀河系全体に進出している遠未来。主人公のヘルヴァは、そのままでは生きることのできない奇形として生まれたが、頭脳は明晰だったため、宇宙船の頭脳として生きることができた。作品中ではあまり強調されることはないが、これは幸福な物語ではない。〈頭脳船〉を作り出した〈中央諸世界〉は、頭脳船に様々な任務を命じる。頭脳船は、債務や心理的な条件付けなどによって、任務を拒否することはできない。中央諸世界が頭脳船を搾取していることは明らかである。
一方、ヘルヴァは宇宙船としての自己同一性を確立している。船を自分の肉体として操るように、人間と見分けのつかない人工の肉体を使うこともできるのだが、ヘルヴァはそれを断固拒否する。それでは、頭脳船にとっての自由とは何か、というのが裏の主題の一つとなっている。ヘルヴァはさまざまな任務を解決する優秀な調査船であると同時に、一人の少女でもあり、歌を歌い、恋をする。心は揺れ動き葛藤する。
「劇的任務」という作品に登場する異星人が面白い。思考の異質さが、言葉遣いの奇妙さとして表現されている。俺は非常に面白かったのだが、なぜか巻末に収められた二種類の解説では触れられていない。
今似た小説が書かれるとしたら、頭脳船には多数のドローンが搭載されるであろう。
一方、ヘルヴァは宇宙船としての自己同一性を確立している。船を自分の肉体として操るように、人間と見分けのつかない人工の肉体を使うこともできるのだが、ヘルヴァはそれを断固拒否する。それでは、頭脳船にとっての自由とは何か、というのが裏の主題の一つとなっている。ヘルヴァはさまざまな任務を解決する優秀な調査船であると同時に、一人の少女でもあり、歌を歌い、恋をする。心は揺れ動き葛藤する。
「劇的任務」という作品に登場する異星人が面白い。思考の異質さが、言葉遣いの奇妙さとして表現されている。俺は非常に面白かったのだが、なぜか巻末に収められた二種類の解説では触れられていない。
今似た小説が書かれるとしたら、頭脳船には多数のドローンが搭載されるであろう。
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