人間六度著『烙印の名はヒト』2026年04月07日 22:43

 長編。舞台は未来の地球。ウエイツと呼ばれるアンドロイドで、介護肢(ケアボット)のラブは、自分たちを開発した研究者の一人であるカーラ白紙に依頼され、彼女を殺す。彼女は訴追され、無期懲役の判決を受ける。刑罰を受けるということは、法的にはヒトであるということである。ヒトであることを受け入れられないラブは脱走する。ウエイツは人間の尊厳を汚すとして破壊しようとする勢力、ウエイツの権利を守ろうとする勢力、ウエイツの製造企業、事件映像の配信者などが入り乱れて、ラブを追いかける。アクションSFだが、終盤には意外なラスボスが登場する。
 「どのような知性なら人格を認められるのか」というのは、ロボットSFの伝統的な主題で、日本なら『鉄腕アトム』にまでさかのぼるが、ともすれば人種差別問題の隠喩にもなりがちだったこの主題が、AI時代の今は別のリアリティを持ち始めている。二十一世紀にもなって戦争が止められない現状を見ると「もう、AIに任せた方がいいよね」という投げ遣りな気分にもなる。

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