柴田元幸著『死んでいるかしら』2022年04月27日 22:10

20年11月29日読了。
 エッセイ集だが、「原っぱで」というショートショートが好きである。ある営業マンが、生まれ育った町に来る。とうになくなったはずの原っぱがまだある。勘違いだったかと思いつつ、懐かしくなって遊んでいる子供たちの草野球に入れて貰う。と、出出しは割とありきたりな幻想譚だが、落ちで(ネタバレ)自分はずっと昔に死んでいたことに気付く、というもの。
 次の「クロコダイルの一日は」も、最初はクロコダイルの生態と自分の生活を比較するエッセイとして始まるが、後半は幻想小説になっていて面白い。著者の腹の中がなぜが異世界に通じてしまい、腹の中からさまざまなな物が出て来るという話。
 圧巻は実話の「コリヤー兄弟」。一種のごみ屋敷の話なのだが、この兄弟は三十八年間に総計一二〇トンに及ぶ物品を溜め込んでいたのである。

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