レアード・ハント著『英文創作教室』2021年12月13日 22:42

20年 1月17日読了。
 レアード・ハントによる創作講義。八人の受講者が短い物語を書き、それにハントがコメントと提案を加える形式。助言を受けた改訂版も収録されている。左ページが英語、右ページが日本語の対訳形式。もちろん俺は日本語しか読んでいない
 言葉で見る、あるいは作家として見るとはどういうことだろう? それは記憶の目で見るということ、まず目の前にあるものを見て、それからもうそこにないものを見るということだ」(p.19)。時間、過去の記憶、未来の記憶。空間、関係。空間でも時間でもない関係。意味、無意味、連想。
 「結局はシンプルなことだ。日々の生活の細部に目を向けるということ」(p.21)。
 「これはあくまで、作家は他人の目に入らないもの、他人が無視するものを見る必要があるということだ。ある人には的外れだと思えるものを見る必要がある。的外れなものが的の中心であることも多い!」(p.23)。
 「見てどんな風に感じたかはあまり気にしなくていいが、見て何を思ったかを無視してはいけない。世界はとても豊かだ」(p.25)。
 「ポイントはむしろ、語り手の抑制だ。語りの穏やかさ、さらに、結末まではずっと驚くほど控え目だった語りの中に、わずかに--本当にごくわずかに--感情が表れるのを許していること」(p.33)。
 「自然が一気に変容した際に私たちがしばしば感じる思い--自然がはっきり意図をもって行動しているという思い--をわずか数語で首尾良く喚起させているところがすばらしい」(p.43)。
 「ではよく練られたほんの数行で君が何をやっているかと言えば、それは、私たちの目に見える、そしてさらに想像を広げていけるキャラクターの創造だ。つまり、彼女は命を持ったのだ」(p.91)。

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