池田晶子著『14歳からの哲学 考えるための教科書』2021年10月04日 21:46

19年 6月18日読了。
 子供向けの哲学入門書。哲学の専門用語は使わずに「自分とは誰か」「死をどう考えるか」「存在の謎」といった問題を考える。そう、最大の特徴は「知識を教える」のではなく「考えを促す」事である。考えるきっかけを与え、考え方を示唆している。
 所々強引で、これで子供に「抽象思考の面白さ」が伝わるかな、と思う処も多いが、試み自体が素晴らしい。認識と存在、そして善悪。前提に遡って考える事。
 感想掲示板「読書メーター」での賛否は数えたわけではないが八二で賛が多い感じ。否を唱える感想では「中立に見えて中立ではなく自分の主張に誘導している」処が気に入らないようだ。御尤もだが、中学生を「私を信じるな、この本も疑え」という処まで導くのはどうでしょうねえ。それはもう一つ次の段階なのでは。
 俺が気に入った感想「わかった様なわからない様な感覚、それは多分、わかっていないことが少しだけわかった、ということなのだと思う。だから、もっと考える」。人をこういう気分にさせたのなら、やはり良書なのでは。こういうSNS類を見て思う事は、無い物ねだりの文句をいう人はどこにでもいる物だ、という事である。
 これから哲学は流行るであろう。寿命が伸びていて、景気が悪いからだ。高度経済成長期のような経済発展という目標が失われた今、人生百年時代をどう生きたら良いか。人生の意味を考えざるを得まい。

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