マーガレット・アトウッド著『ダンシング・ガールズ』 ― 2026年03月25日 22:17
著者の初期短編集だが、後の『侍女の物語』に通じるフェミニズムやマイノリティの主題が見える。全体に、主人公が普段無意識に目を逸らせている現実を、強引にというか否応なくというか、直視させられる、というような内容が多い。神秘的なことは何も起こらないが、カフカ的不条理間、閉塞感、無力感を感じさせる。
「キッチン・ドア」の主人公は田舎町に住む主婦。彼女はごく希薄な根拠から破滅を予感しており、そこに至る過程を詳細に想像している。それは、どことどこの国が戦争をして、戦況がどのように展開するか、というような大局的な話ではない。彼女の生活がどのように変化していくかが事細かに思い描かれる。まず報道が変化する。悪いニュースが流れなくなり、やがて報道自体が少なくなり、ラジオはやたらにクラシック音楽を流したりし始める。政府による報道管制が引かれるのだ。そして物流が滞り始める。やがて彼方で煙が立ち昇る。幾筋も。根拠がはっきりしないので妄想と呼ぶべきものなのだが、なぜか強い現実感がある。
「キッチン・ドア」の主人公は田舎町に住む主婦。彼女はごく希薄な根拠から破滅を予感しており、そこに至る過程を詳細に想像している。それは、どことどこの国が戦争をして、戦況がどのように展開するか、というような大局的な話ではない。彼女の生活がどのように変化していくかが事細かに思い描かれる。まず報道が変化する。悪いニュースが流れなくなり、やがて報道自体が少なくなり、ラジオはやたらにクラシック音楽を流したりし始める。政府による報道管制が引かれるのだ。そして物流が滞り始める。やがて彼方で煙が立ち昇る。幾筋も。根拠がはっきりしないので妄想と呼ぶべきものなのだが、なぜか強い現実感がある。
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