『現代思想2020年1月号』から2022年08月04日 22:16

2021年10月12日記す。
 山内朋樹「描線の生態系 漫画『風の谷のナウシカ』における森=腐海の発生」。
 宮崎駿の漫画版『風の谷のナウシカ』の腐海は、環境保全的な問題意識から構想されたものではなく、実は、絵としての面白さから着想された、という趣旨。実も蓋もない言い方をすれば「砂漠より森の方が絵として面白い」というところから腐海は生まれた。
 エッセイの題名にもなっている「描線の生態系」という言葉が大変に気に入る。作家の意図や思想からではなく、描線相互の関係が絵を作り上げる、という、作品の作家からの自立性を感じさせるからであろう。

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