伴名練編『日本SFの臨界点 中井紀夫 山の上の交響楽』2022年10月03日 21:53

2022年 5月 8日読了。
 伴名練編による傑作集。「山の上の交響楽」と「見果てぬ風」は何度読んでも傑作。どちらもボルヘスを連想させる奇想小説だが、意外にも主題は「時空の無限と人生の有限」という古典的普遍的なものである。その葛藤の解決は形式的には「乗り越えるのではなく受け入れる」のだが、妥協や諦めではなく、かといって積極的に受け入れるのでもなく、「無理をせず肩の力を抜いてはいるが、葛藤はやめていない」感じで終わる。深刻にならない緩い葛藤が妙に心地よい。初めて読んだ作品では「神々の将棋盤」がひときわ奇天烈で楽しかった。

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