かすてら読書録

18年 6月16日読了。
　猫の登場するＳＦとファンタジーのアンソロジー。猫、猫が変化した物、猫に似た何かなど様々な「猫」が現われる。気紛れで情の薄い猫らしい皮肉な結末の作品も多いが、俺が一番面白かったのは、宇宙船の中で一斉に知能を高め始めた実験用の小動物達を描いた「共謀者たち」。鼠と猫が理性では協力し合おうとするのだが、本能が邪魔をする。
　猫に似た種族と天才少女との間でテレパシーに依る交流が始まる「チックタックとわたし」も良かった。猫の愛らしさでは、猫が宇宙船を危機から救う「宇宙に猫パンチ」である。