モラヴィア著『薔薇とハナムグリ シュルレアリスム・諷刺短編集』 ― 2020年08月03日 21:51
16年 8月17日読了。
実存主義の作家モラヴィアとしては珍しい、軽くユーモラスな不条理系の作品集。ファシスト政権下で書かれたという事もあり「自由に物が書けない状況で、隠喩を駆使した」というような評価もあるようだし、確かにはっきりとファシズムやナチを批判している作品もあるのだが、全体としてはシュール、奇妙な味、寓話のイメージを楽しめば良いと思った。
「清麗閣」の由緒あるホテルで行われる結婚式の、グロテスクな内容など全くナンセンスである。ある日突然、患者が悪臭を発し始める奇病を描いた「疫病」では、患者の心理の変化の描写が秀逸である。奇妙な状況に陥った者の詳細な心理描写という点ではカフカ「変身」に通ずるかも知れぬ。釣り上げられた蛸が、自分たちの世界観の変遷を語る「蛸の言い分」も愉快。
実存主義の作家モラヴィアとしては珍しい、軽くユーモラスな不条理系の作品集。ファシスト政権下で書かれたという事もあり「自由に物が書けない状況で、隠喩を駆使した」というような評価もあるようだし、確かにはっきりとファシズムやナチを批判している作品もあるのだが、全体としてはシュール、奇妙な味、寓話のイメージを楽しめば良いと思った。
「清麗閣」の由緒あるホテルで行われる結婚式の、グロテスクな内容など全くナンセンスである。ある日突然、患者が悪臭を発し始める奇病を描いた「疫病」では、患者の心理の変化の描写が秀逸である。奇妙な状況に陥った者の詳細な心理描写という点ではカフカ「変身」に通ずるかも知れぬ。釣り上げられた蛸が、自分たちの世界観の変遷を語る「蛸の言い分」も愉快。
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