メアリー・ノートン著『床下の小人たち』2020年04月02日 20:48

16年 2月13日読了。
 ジブリのアニメにも成った英国のファンタジー。小人の家族の暮しの細部が面白い。人間の何を小人が何に転用して使っているかが事細かに書かれている。宝石箱の長椅子、マッチ箱の箪笥、壁に掛かっている肖像画は郵便切手である。
 小人達は「人間は自分たちに奉仕するための存在である」という、ある種傲慢な自分中心の世界観を持っているが、それは勿論、キリスト教的な人間中心主義の世界観を批判し、相対化する視点に読者を誘導する。一九五二年の発表だが、欧州の子供向けの本としてはかなり過激だったかも知れない。最後の一行が利いている。

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