奥泉光著『バナールな現象』 ― 2019年08月04日 22:56
14年 9月23日読了。
いとうせいこうの解説にある通り、テキストという領土の覇権争いの物語とも読めるが、構造は単純な対立や入れ子ではなく、何気なく入った路地を抜けると思わぬ所に出てしまう、迷宮的に複雑なモザイク状に成っている。読み進むに連れて忘れていたイメージの断片が不意に顔を出し別のイメージと繋がり合い、新たな模様を織り出していく。最大の敵である友人、見知らぬ妻、まだ生まれていない息子、砂漠の国の戦争、海老。登場人物は影ばかりで、どこに本体があるのか判らない。本体はないのかも知れない。
いとうせいこうの解説にある通り、テキストという領土の覇権争いの物語とも読めるが、構造は単純な対立や入れ子ではなく、何気なく入った路地を抜けると思わぬ所に出てしまう、迷宮的に複雑なモザイク状に成っている。読み進むに連れて忘れていたイメージの断片が不意に顔を出し別のイメージと繋がり合い、新たな模様を織り出していく。最大の敵である友人、見知らぬ妻、まだ生まれていない息子、砂漠の国の戦争、海老。登場人物は影ばかりで、どこに本体があるのか判らない。本体はないのかも知れない。
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