『J・G・バラード短編全集3終着の浜辺』2021年04月30日 21:08

18年 7月 4日読了。
 二巻の感想で「黄昏の倦怠」と言ったが、三巻目では死の匂いが濃厚に成って来た。SFという未来に向けて開けた分野を選びながら、作品世界が閉塞して行くのは興味深い事である。寧ろ不条理文学に近いのか。ニューウェーブ。インナースペース。
 描かれるイメージは幻想的な魅力に満ちているが、どうも人物に感情移入できない。それと癖の在る文章。原文は知らぬがきっと翻訳家泣かせなんだろうな。「溺れた巨人」と「あらしの鳥、あらしの夢」が好きかな。

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