『こんにちは!動物の赤ちゃん2015』2020年03月01日 21:41

15年12月22日視聴。
 動物園の飼育員さんだからこそ撮影できた秘蔵映像。パンダ、コアラ、ホッキョクグマなど。ホワイトタイガーの美しさに目を見張る。よく思う事だが、こういう物を見て美しいとか面白いとか可愛いとか思うのはどういう事であろうか。奴らが人間を面白がらせようとして進化した筈はないので、人間の方がそれを面白いと思うように進化したのだ。そこにどんな生存上の有利さが在ったのか。他者に興味を持ち知る事は生存に有利なような気はするが、面白いとか美しいとかいう価値の付け方は間違っているような。

神林長平著『だれの息子でもない』2020年03月02日 23:01

15年12月24日読了。
 近未来の日本。人々はネット内で自分の代わりに活動する代理仮想人格のアバター(化身)を利用している。オリジナルと呼ばれる現実世界の利用者が死んだ後も活動を止めないネットファントムと呼ばれるアバターを消去するのが主人公の仕事である。
 主人公の前に突然、子供の頃に死んだ父親のアバターが現れる。この父親を始めとして、人間の脳に入り込むアバター、オリジナルを持たない独立アバターなど、誰もが予想しなかったアバターが次々に現れ、主人公達を翻弄する。
 全体に喜劇調だが、主人公の人格がアバターと入れ替わったりして、自己同一性が主題の一つに成っている。「人生は記録だ/人生は記憶だ」という対比など、自己の存在の拠り所が危うい感じが描かれる。
 以前は神林長平と言えば「現実の存在の危うさ」を描く作家であったが、最近は自己を疑う主題に移行しているらしい。客観への疑いから主観への疑いへ。勿論、俺の読み方が全然間違っている可能性も常にある。
 言葉遊びなのだが思弁的議論も面白い。意識の本質は複製への意志だとか、現実という物は存在せず優位性の異なるフィクションがあるだけだとか。俺には「バリエーション」の問題が非常に興味深かったのだが、何だか画一化やファシズムの批判に流れてしまってちょっと残念。父親のアバターの身勝手な性格が楽しい。

映画『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』2020年03月03日 21:51

15年12月25日視聴。
 物語的には途中という感じが強くカタルシスは余りないが、アミダラ女王のクリムトを連想する衣装を見ているだけでも楽しい。

A.A.ミルン著『クマのプーさん』2020年03月05日 00:04

15年12月26日読了。
 不勉強な事に初読。記憶力と言語論理能力が十分でない、作品中の言葉で言えば「頭のない」登場人物達の、ピントのずれた言動をユーモラスに描いた物。内容は愛らしく、幼児向けにしては結構高度なナンセンスもあるのだが、やはりと言うか、E.H.シェパードの挿し絵が抜群に素晴らしい。登場人物(人じゃないけど)の中ではロバのイーヨーが俺の気に入りである。

『所さんの世界のビックリ村!~驚きの秘境で大発見!こんなトコロになぜ?』2020年03月05日 16:02

15年12月26日視聴。
 一夫一婦制でも一夫多妻制でもない複雑な婚姻制度を持ち大家族を形成する村や、女性だけで自給自足をする村も面白かったが、モンゴルのイーグルハンター(鷹匠)の村の景色の物凄さに圧倒される。見渡すかぎりの凍り付いた山岳地帯で、隣の家まで一キロも二キロも離れている。
 こういう番組を見るとよく思う事だが、こんな場所で生まれ育った人達は我々とは世界観が違うだろうな。地理的な知識とは別な次元で、「世の中とはこういう物だ」という感覚的なイメージが違っていると思うのだ。同じ時代に別の世界を生きている。