養老孟司著『逆さメガネで覗いた日本』 ― 2021年08月03日 15:33
19年 3月 6日読了。
教育論。
「こちらに学ぼうという気がありさえすれば、ネコだって先生である。うちの先生はほとんど寝てばかりいるが、あれを見ていると、いつも思う。うちの先生は人生の達人だなあ」(p.4)。
「教育について議論する以前の話、人間とはなんだとか、人はなんのために生きるかとか、いまの社会はどういうものか、そのことです。むずかしくいうなら、議論の前提です。それをもとにして、教育をどうするか、決めるわけでしょう。その常識が変であれば、教育はもちろん変になります」(p.22)。
「アメリカも西欧も、日本も、いまでは中国も都市化しつつあります。たぶんそれが、教育の根本問題なのです」(p.24)。
「現実とはなにか。それは皆さんの『行動に影響を与えるもの』なんです。だからそれは『人によって違う』」(p.33)。
子どもはシミュレーションが効かない「シミュレーションが効かない状態になると、都会の人は『どうすればいいんだ』とかならず訊きます。この質問が出ること自体、『ああすれば、こうなる』が前提になっているんじゃないですか。そこで『シミュレーションが効かないんだよ』とまたいうと、『じゃあ、どうすればいいんだ』とまた訊いてきます。際限がないんですな、これは」(p.45)。
「『シミュレーションが効かない状態がある』ということを、絶対に認めないんですよ。答えをいっときますますが、そういう状態になったら、努力・辛抱・根性しかないんですよ、じつは。だけど都会の人はこの三つが大嫌いなんだから。なんとか楽な方法がないかと思ってる」(p.45)。
「政治なり経済なりは、人間が生き延びていくことを大前提にしています。それはだれだってわかっているでしょう。それなら社会が子供を作らなくなる、再生産しなくなるというのは、明らかに社会がおかしいわけです。話がひっくり返ってます」(p.47)。
「誰かがコントロールしないと、この世界は秩序が保てない。多くの人はそう思っていると思います。そう思って教科書を検定する。でもいまは子どもが一日平均二~三時間、テレビを見るという時代です。そのテレビに検定がありますか。教科書とテレビと、子どもはどちらを真剣に見ると思います? どっちの影響が大きいんですか」(p.74)。
「要するに日本社会は、基本的な議論をだれもしないという、一見奇妙な面を持っています。それは、そうしなくても、『治まる』からでしょう。それを治めているのは、じつは世間の常識です。ただし、そこに関ることは議論しない。議論すると、それが意識化されます」(p.75)。
法則は脳の中にある「科学者はこの種の説明をなかなか認めませんな。なぜなら、法則は外の世界にあると信じ込んでいるからです。でも脳の中にない法則を、脳が考えられるはずがないじゃないですか。だから、私のように時々意識的に『逆さメガネ』をかけなくてはいけないんですな」(p.107)。
「成績は意識的能力、社会的適応の問題です。でも食事は身体の問題、自然の問題です。そこが親の段階ですでにお留守になっている。親ばかりを責めるつもりはありません。だから問題は都市化でしょうと、最初からいっているのです」(p.116)。
教育論。
「こちらに学ぼうという気がありさえすれば、ネコだって先生である。うちの先生はほとんど寝てばかりいるが、あれを見ていると、いつも思う。うちの先生は人生の達人だなあ」(p.4)。
「教育について議論する以前の話、人間とはなんだとか、人はなんのために生きるかとか、いまの社会はどういうものか、そのことです。むずかしくいうなら、議論の前提です。それをもとにして、教育をどうするか、決めるわけでしょう。その常識が変であれば、教育はもちろん変になります」(p.22)。
「アメリカも西欧も、日本も、いまでは中国も都市化しつつあります。たぶんそれが、教育の根本問題なのです」(p.24)。
「現実とはなにか。それは皆さんの『行動に影響を与えるもの』なんです。だからそれは『人によって違う』」(p.33)。
子どもはシミュレーションが効かない「シミュレーションが効かない状態になると、都会の人は『どうすればいいんだ』とかならず訊きます。この質問が出ること自体、『ああすれば、こうなる』が前提になっているんじゃないですか。そこで『シミュレーションが効かないんだよ』とまたいうと、『じゃあ、どうすればいいんだ』とまた訊いてきます。際限がないんですな、これは」(p.45)。
「『シミュレーションが効かない状態がある』ということを、絶対に認めないんですよ。答えをいっときますますが、そういう状態になったら、努力・辛抱・根性しかないんですよ、じつは。だけど都会の人はこの三つが大嫌いなんだから。なんとか楽な方法がないかと思ってる」(p.45)。
「政治なり経済なりは、人間が生き延びていくことを大前提にしています。それはだれだってわかっているでしょう。それなら社会が子供を作らなくなる、再生産しなくなるというのは、明らかに社会がおかしいわけです。話がひっくり返ってます」(p.47)。
「誰かがコントロールしないと、この世界は秩序が保てない。多くの人はそう思っていると思います。そう思って教科書を検定する。でもいまは子どもが一日平均二~三時間、テレビを見るという時代です。そのテレビに検定がありますか。教科書とテレビと、子どもはどちらを真剣に見ると思います? どっちの影響が大きいんですか」(p.74)。
「要するに日本社会は、基本的な議論をだれもしないという、一見奇妙な面を持っています。それは、そうしなくても、『治まる』からでしょう。それを治めているのは、じつは世間の常識です。ただし、そこに関ることは議論しない。議論すると、それが意識化されます」(p.75)。
法則は脳の中にある「科学者はこの種の説明をなかなか認めませんな。なぜなら、法則は外の世界にあると信じ込んでいるからです。でも脳の中にない法則を、脳が考えられるはずがないじゃないですか。だから、私のように時々意識的に『逆さメガネ』をかけなくてはいけないんですな」(p.107)。
「成績は意識的能力、社会的適応の問題です。でも食事は身体の問題、自然の問題です。そこが親の段階ですでにお留守になっている。親ばかりを責めるつもりはありません。だから問題は都市化でしょうと、最初からいっているのです」(p.116)。
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