宮内悠介他著『想像見聞録 Voyage(ボヤージュ)』 ― 2022年10月04日 23:27
2022年 5月 9日読了。
旅を主題にしたアンソロジー。書名や顔ぶれ、カバーのイラストなどから『見えない都市』のような奇想的な内容を予想したが、まったく幻想やSFの要素を持たない作品もある。あんまりハッピーな結末の作品はない。小川哲「ちょっとした奇跡」と石川宗生「シャカシャカ」ははっきりと滅びを描いている。いつもは楽観的な藤井太洋の「月の高さ」も愁いを含んで見える。ウクライナの戦争が始まる前に書かれた作品ばかりだが、希望が持てない内容なのは、時代を反映しているのかもしれない。好きというのとは違うが、森晶麿「グレーテルの帰還」の心理サスペンスが強い印象を残す。
旅を主題にしたアンソロジー。書名や顔ぶれ、カバーのイラストなどから『見えない都市』のような奇想的な内容を予想したが、まったく幻想やSFの要素を持たない作品もある。あんまりハッピーな結末の作品はない。小川哲「ちょっとした奇跡」と石川宗生「シャカシャカ」ははっきりと滅びを描いている。いつもは楽観的な藤井太洋の「月の高さ」も愁いを含んで見える。ウクライナの戦争が始まる前に書かれた作品ばかりだが、希望が持てない内容なのは、時代を反映しているのかもしれない。好きというのとは違うが、森晶麿「グレーテルの帰還」の心理サスペンスが強い印象を残す。
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