柴田元幸編『文字の都市 世界の文学・文化の現在10講』2022年01月07日 22:01

20年 3月 4日読了。
 文学を中心とした世界の文化芸術を扱った論集。野中進の「愚痴と文学」では、愚痴を「私の話を聞いてほしい、でも意見はしないでくれ」という態度と考え、愚痴という視点からチェーホフとドストエフスキーを分析する。俺に一際興味深かったのは、栩木伸明「語り直される古典」、柴田元幸「家族の呪縛」で、古典と現代文学の関係が考察されているところである。『200X年文学の旅』でも扱われていた主題だが、現代文学に於いて古典は、嘗てのポストモダンのように倒すべき敵ではなくなっていて、何か「語り直す」というような態度が表れているのである。

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