ジョン・ヴァーリイ著『さようなら、ロビンソン・クルーソー 〈八世界〉全短編2』2021年01月09日 22:20

17年 8月 8日読了。
 〈八世界〉シリーズの短編集。未来史という形式には何やら心惹かれる。理由は良く判らない。少しずつ重なり合っている処が面白いのかも知らぬが、それなら普通の歴史小説だって同じだ。独特の構築性の高さに依る物か。「ブラックホールとロリポップ」は、本当にブラックホールが喋ったのか主人公の狂気なのか最後まで判らないリドルストーリーで俺好み。「イークイノックスはいずこに」は、『二十億の針』のような人間と共生する生物を描いた物語。その生物単独では思考能力はないが、人間の脳をタイムシェアリングする事で思考力を得るという着想が秀逸である。表題作と「ビートニク・バイユー」はいずれも幼年期への惜別を描いている。米国人はこんなの好きだな。

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