『河合隼雄著作集第2期8 物語と現実』2020年10月21日 22:08

16年12月29日読了。
 「猫だましい」「おはなしの知恵」収録。
 「それ(トリックスター)は境界領域に登場し、判然とした区別を壊し、新しいものを創造する。もっとも、ここで失敗すると、トリックスターは、悪者に転落してしまう」(p.34)。
 「トリックスターは常に危い橋を渡っており、善悪はいつ反転するかわからないのである」(p.34)。
 「戦うのではなく、まず耐えることを学ぶ。これが『継子いじめ』の物語の大切な点である」(p.207)。
 「結婚はそれが深められつつ永続していくためには、夫と妻が象徴的な離婚と再婚を体験することが必要である」(p.220)。
 「ところで、二元的な要素が分かれる宇宙観に立つと、この分かれたものは定期的に結合し、それによってもとの全体状況に戻り、生命力を回復する必要があると考えられる。しかしその際、宇宙は原初的なカオス状態戻ることになり、危機的状況になる。そこで、両者はいつまでも結合を続けていることはできず分離しなければならない」(p.246)。
 「中世の魔女狩りがどうしても行き過ぎになるのは、自分の心のなかの魔女に気づかないようにするために、外にいる魔女をやたらに迫害したくなるからである」(p.308)。

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