ジョーン・エイキン著『ねむれなければ木にのぼれ アーミテージ一家のお話2』2020年06月08日 18:20

16年 6月 2日読了。
 不思議な出来事が同時に複数起るというのが一つの特徴。関連なく独立に起った事件が同時に進行し、やがて関係し合って結末に至るという形式に成っている。従って単純な起承転結に成っておらず、いささか落ち突きが悪い印象を与えるが、欠点ではなく寧ろ面白い効果に成っている。
 主人公の一家の前に現われる人達が悉く不愉快で苛立たしく、困った事態を巻き起こす。それが妙にリアルで、現実にモデルと成る人物が居るのではなかろうかと勘繰らせる。迷惑を掛けられる主人公達がちょっと気の毒で、素直に笑えない感じもするが、このくらい毒のあるのが子供には面白いのかも知らぬ。結末にさしたるカタルシスもないのが英国流であろうか。

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