『養老孟司特別講義 手入れという思想』2020年05月15日 17:38

16年 5月12日読了。
 八つの講演録を収録。
 「情報過多ということは、人が生きている実感がなくなって、データだけが増えてくるということです」(p.35)。
 「それは、つまり水と食糧を十分に与えられて、安全第一で過ごしてきた動物という点では、現在の若い人たちはラットかマウスになっている。これが家畜化です。動物の家畜化と同時に、人間は自分自身を家畜化する動物なのですね」(p.85)。
 「私はラオスに一〇日間行っていたと言いましたが、行く前に必ず聞かれます。『先生ラオスに何しに行くんですか』、『虫取りに行くんだよ』、『何が取れるんですか』と。『何が取れるかわかっているなら行かない』と私は答えます」(p.142)。
 「やはり人は弱いですから、何らかのイデオロギー、頼るものが必要になってくる。しかしそれがない。そして、そういうものなしで都市化を進めることができるかどうかというのが、今、日本のやっている実験ではないかと思います」(p.228)。
 「放っておけば原生林になってしまうところを、一所懸命手を入れている。『どうするつもりだ』と聞かれても『つもり』がそもそもない。『つもり』でやったのではなく、どこかで収まってしまったのです。実はこの感覚が手入れの感覚です。これが日本人のバランス感覚です」(p.236)。

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