映画『のぼうの城』2020年03月25日 21:03

16年 2月 1日視聴。
 面白かった。何だ、やればできるじゃん、という感じ。尤も邦画の問題は制作現場よりも映画会社や配給会社に在るという話を聞いた事はある。本当か嘘か知らぬが。
 主人公の人物設定が良い。野村萬斎の演技は見終ってから思い返してみるとかなり大袈裟なのだが、見ている時はそんな事は思わない。敵役の石田三成もかなり幼児的な処のある人物として描かれていて、しなくても良い戦をわざわざするように追い込む。つまり、幼児性と幼児性のぶつかり合い。
 うっかりすると、愚かだった主人公が優れた人物に成長していく物語に見えてしまうが、それは間違い。おそらく主人公は最初から愚かさと英雄性を兼ね備えていたのである。トリックスター的人格。周囲の人々はその英雄的側面に気付いていなかっただけであり、今回の事がなければ永遠に気付かなかったかも知れない。
 偶々『ユング心理学と日本神話』を読んでいたからそう思うのかも知れぬが(シンクロニシティ)、こういう愚者性と英雄性の並立というのは東洋的、或いは日本的なのかも知れないと思う。結末も痛快であり後味の良い映画。

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