新美南吉著『ごんぎつね』2020年02月17日 21:32

15年12月 8日読了。
 昔から新美南吉の童話には違和感と言うか居心地の悪い気持ち悪さを感じていた。落ち着きが悪いと言うか、すっきりしないのである。
 今回、岩波少年文庫版で初めて(前に読んだのを忘れているだけかも知れぬが)「鳥右ェ門諸国をめぐる」を読んだのだが、不条理感があって良かった。筋だけを書けば、何処にも破綻した処はない。ある武士が自分の傲慢さに気付いて人のために成る事をしようとするが、傲慢さを捨て切れない自分に苦しみ発狂する話である。筋は通っているのだが、細部に何とはない不条理感が漂うのである。そこが面白かった。
 そう思ってみると、他の童話も、形式としては因果応報譚であったり、教訓話であったり、人情話であったりするのだが、どことはなくそこからはみ出したり、ずれたりしている処が在って、それが俺に居心地の悪さを感じさせていたのではないかと思い当たる。ある意味では良くできた、お行儀の良い童話に馴染んでいた子供にはそれが気持ち悪かったのかも知れない。

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