杉浦明平著『今昔ものがたり』2020年02月08日 21:39

15年11月21日読了。
 因果応報譚や判り易い教訓話も多いが、何の事やら判らぬシュールな話もある。「浮気心の報い」や「追いはぎよけの妙案」は落語的な滑稽話。謎解きをあえて避けた「鏡箱の歌」が潔い感じがして好き。巻頭の「悪人往生」をあとがきでは「胸がすかっとする」などと書いているが、俺はむしろ「感覚的には判るような気もするが、論理的には良く判らない」宙ぶらりんな不思議な感じを楽しんだ。もっと痛快なのは常の者には窺い知れぬ武士の父子の阿吽の呼吸を描いた「馬どろぼうと頼信父子」であろう。

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