萱野茂著『アイヌの昔話 ひとつぶのサッチポロ』2020年01月15日 21:04

15年10月21日読了。
 解説にある通り、どの話にも判り易い教訓が付いていて、その点ではイソップ童話に通じる処がある。しかし希に解釈不能な奇妙な行為もある。「耳輪の片方」という話では、寧ろ善人である筈の主人公が「小さい姉が持っていたまさかりを奪い取って、その姉の頭をぱかんとふたつに割ったのです」(p.167)。その姉がどんな悪い事をした訳でもなく、主人公がそんな事をした理由は最後まで明かされない。蛇に睫も眉毛もないのは焼け落ちてしまったのだという話も、何の教訓なのか良く判らない。全体がシュールなのではなく、希に不条理が顔を出す処が面白い。

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