『ちくま日本文学全集 寺田寅彦』2020年01月12日 18:06

15年10月15日読了。
 藤森照信の解説にもあるが「自然界の縞模様」など、フラクタル理論の先駆の如き考察が大変に面白い。科学者でありながら、定量的データに劣らず定性的データを重要視していて、それを直感のみに依らず「科学的に」取り扱う方法を模索している感じがする。統計的手法への言及などにそれが感じられる。
 また巻頭の「団栗」など、過去への追憶の感じられる随筆にも惹かれた。事実と対峙する態度に、単なる郷愁や感傷とは異なる、堅固さと言うか何と言うか、ふにゃふゃめそめそしていない「踏ん張り」のような物を感じる。科学者の視点であろうか。

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