トーベ・ヤンソン著『ムーミン谷の十一月』2019年04月13日 22:10

14年 1月29日読了。
素晴らしい。一応結末は付いているのだが、何だか解決し切れていないもやもや感が落ち着かなくて良い。解決した感じがしないのは、そもそも問題がはっきりしないからかも知れぬ。登場人物たちにとっての現実と空想の境界が曖昧なのも良い。虚構の現実への侵入或いはその逆というのはよくある主題だが、現実側にはっきり姿を見せずに雰囲気だけをざわつかせているのが実に良い。そして、この巻では一度も登場しないムーミン一家の存在感。

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